インスリンを勧める第一の目的は「血糖コントロールをよくする」ことです。
良好な血糖コントロールにより、合併症の予防が期待でき、将来も、糖尿病でない方と同じような生活を送ることができます。
インスリンを勧める時
① すぐにインスリン治療をしなければ、命に関わる可能性がある場合。
② 食事療法や運動を心がけ、血糖値を下げる薬を服用しても、血糖コントロールがうまくいかない場合。
③ 高血糖が持続していると、インスリンを出す、すい臓のβ(ベータ)細胞が弱ってきて、だんだんインスリンを出せなくなってきます。そのため、さらに高血糖になるという悪循環に陥ります。また、インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性のある方も、高血糖によりいっそうインスリンの働きが悪くなり血糖値が高くなってしまいます。
すぐにインスリンが必要
①1型糖尿病の方
②糖尿病性昏睡(ケトアシドーシスなど)
③重症の腎障害、肝障害
④重症の感染症(壊疽(えそ)、肺炎など)、手術
⑤糖尿病合併妊婦、食事療法で良好な血糖コントロールの得られない妊娠糖尿病⑥静脈栄養時の血糖コントロール
できるだけ、インスリンが必要
①糖毒性の強い方
②現在の治療で良好な血糖コントロールが得られない方
③糖状態の悪いやせ型の方④ステロイド治療時に高血糖を認める場合