糖尿病の治療にインスリンを投与されている人は大勢います。
インスリンは、糖尿病の種類や進行速度にも差があるものの、必要不可欠なものとして認識されています。
インスリンは、すい臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンです。
炭水化物の代謝を調節する機能があります。
肝臓での糖新生を抑制したり、脂肪の合成促進と分解抑制など生理作用があります。
血糖値を低くする作用が判明したのが1901年、病理学者ユージン・オピーが糖尿病はランゲルハンス島がダメージを受けて発症することがわかりました。
1921年にはインスリン抽出に成功、翌1922年には医薬品として製造がはじめられました。
1980年になると、遺伝子工学を使い副作用が少ないヒトインスリンの生産がはじめられ、現在にいたります。
糖尿病ではインスリンは頻繁に用いられていますが、投与されるのは糖尿病が悪化している患者さんや、1型糖尿病のケースだけだと思われている人もいるでしょう。
しかし、肝炎をはじめ感染症を起こしているケースや薬物アレルギーがある人、食事療法や運動療法をしても投薬療法で血糖値がなかなか下がらない人など一人一人の状況によっては、糖尿病が軽度であってもインスリンが不可欠となることもあります。
現在は血糖コントロールを確実にするためか、糖尿病の早期から用いられるケースも増えています。