高齢者の糖尿病

 糖尿病になる人数は、年齢とともに急増しますが、最近の調査では、60歳を超えると6人に1人が糖尿病という数字になっています。

加齢とともに、糖尿病性の合併症の頻度が高くなり、加えて、動脈硬化などの病気も出てくるため、一人でいくつもの病気に苦しむ人が増えます。

高齢者の糖尿病といっても、治療法や療法の方法については、患者さん一人一人の病状と、個人的な生活背景も考慮したきめの細かい工夫が必要になってくる点が、大きな特徴といえるでしょう。
 

高齢者の糖尿病の特徴
(1) それまでの治療法や生活様式などによる、個人差が大きい。
(2) 身体のインスリンの分泌と末梢組織での効き方の両方が加齢とともに低下し、血糖値が高くなる。
(3) 腎機能が低下し、尿糖が血糖値の割に少ない。あるいは薬剤の蓄積が起こりやすい。
(4) 網膜症や神経障害など、糖尿病性の合併症の頻度が高くなる。
(5) 動脈硬化症が、加速度的に進展しやすい。
(6) 多病の人が増える
(7) 自覚症状が出にくく、また異常があっても年のせいにして見すごすことが少なくない。
(8) あきらめや家族への遠慮などで、治療への意欲が低い。
(9) それまでの生活習慣を、なかなか変えられない。


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