妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは

 妊娠中は、胎児にエネルギー源である糖を与えるため、胎盤から血糖を上昇させるホルモンが分泌され、インスリンが効きにくい状態となります。

妊娠すると、すい臓からのインスリン分泌を増やして血糖値を調節しますが、そのバランスが取れず血糖値が高くなると妊娠糖尿病になります(図)。わが国では糖尿病人口の増加とともに、妊娠糖尿病も増えており、全妊婦さんの10%前後と推定されています。

両親や兄弟など血縁者に糖尿病のある方、太っている方、35歳以上の方、巨大児や先天奇形のある赤ちゃんを出産したことのある方、流早産を繰り返す方などは妊娠糖尿病の危険が大きく注意が必要です。


母体・児への影響

 血糖コントロールが悪いと、妊婦さんや赤ちゃんに様々な影響が出ます。赤ちゃんの体が作られる妊娠初期の血糖値が高いと、先天 奇形の発生が高率となります。

妊娠中の血糖値が高い場合は、巨大児(4,000g以上の大きな赤ちゃん)となり、経膣分娩の際に難産となり、頭血腫、鎖骨骨折などの損傷が起こることがあります。また、生まれた後も赤ちゃんに低血糖症、呼吸障害、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、多血症が起こることがあります。

妊婦さんにみられる合併症としては、網膜症や腎症などの糖尿病合併症の悪化、糖尿病ケトアシドーシス、尿路感染症、産科的な合併症としては、妊娠高血圧症候群などのほか、羊水過多症、流産、早産などがあります。



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